
要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑
Author
F太
小鳥遊
Type
Book
Program
Project
Member
Status
Already Write
Start Date
2020/04/01
Finish Date
2020/04/12
Evaluation
★★★★★
Created
2023/1/10 1:16
Updated
2023/1/10 1:16
感想
F太 さん著。これまで数え切れないほどの仕事術やビジネス書を読んできたが、その中でも本書は圧倒的に分かりやすい入門書だと感じた。
ADHDの診断を受けた著者が自信を持って仕事に前向きに取り組めるようになるまでに培った技術が余すとこなく凝縮されている。巷で人気の講座を書籍化しただけあって、内容は分かりやすく、実践的だ。
本書を読んで感銘を受けた点は2つある。
第一に、ビジネスの現場で言及されるいわゆる「仕事の基本」がよく分かる本である点。多くの人がなんとなくで使っている「仕事の基本」という言葉が極めて実践的なテクニックまで落とし込まれている。これは社会に出た新入社員のみならず、仕事の基本がなってないとレッテル貼りされて困っている人に役立つ。なかでも、上司からの「あの件どうなってる?」に即答できる方法論は特に有用性が高いと感じた。
第二に、しんどい状態を予防するだけでなく、しんどい状態から回復する方法が詰め込まれている点だ。本書は仕事の具体的な進め方だけでなくメンタル面での向き合い方まで言及されているのがユニークである。多くの仕事術の本は、そもそもしんどい状態にならない技術に偏っていると感じていた。しかし本書は、誰もが時期によってはしんどい状態に陥るものであり、それを避けることはできないことを前提とし、そこから回復する方法を整理してくれている。そういう意味では誰にとっても読む意義のある一冊だ。
私自身、約10年前に仕事でうまくいかずに自信を喪失し、パソコンの電源ボタンをどうしても押すことができず何日も自宅でウンウンと葛藤していたことがある。あのときの自分に届けたい一冊に出会えたと、読後にはなんだか不思議な満足感と感慨深いに包まれた一冊であった。